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新築アパート物件を経営する際に問題となる都市部と地方の問題。それぞれどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか?それぞれの特徴を比較・紹介します。なお、今回取り上げる都市部とは、東京・大阪・名古屋などの大都市圏のことです。
都市部は人口や人の流れが多いため、新築アパートの入居者が決まりやすいです。その分空き室リスクを避けられ、安定した新築アパート投資を行なえます。しかし、土地や物件そのものの購入費用は高く、投資利回りは低いのがデメリットです。
地方は土地・物件の購入費用が安く、高い投資利回りを期待できます。しかし、人口減少の傾向にある場所では入居者の取り合いになり、空き室が発生する可能性が高いです。立地的に有利な都市部と違い、新築アパート購入時の戦略や、経営方法が重要です。
利回りでいうと地方のほうが高いですが、地方は空き室リスクによる家賃収入減の可能性があります。新築アパートの場合はまだいいですが、中古アパートだとより入居者が付きにくく、空き室が続くかもしれません。利回りが低くても、安定したアパート経営なら都市部がおすすめです。
都市部は土地の価値もありますし、物件を売却したいときに購入者が見つかりやすいです。地方ではそもそも購入者が見つからないことがあります。購入者が見つかったとしても、物件の状態によっては銀行融資が引き出せないことも。そうなると売却による利益を出せません。
都市部でもいえることですが、地方で新築アパートを経営する際は出口戦略が重要です。売却先が見つかりやすい、購入者が銀行の融資を受けやすい物件にしたほうがいいでしょう。注目すべきは土地の価値と建物の耐用年数です。木造よりも鉄筋コンクリート造のほうが、売却時の銀行融資の面では有利でしょう。
ただし、減価償却費を利用して税金対策をしたい場合、木造アパートにもメリットはあります。耐用年数の短い木造アパートのほうが、減価償却費による節税効果はあるからです。
同じ値段のアパートを購入した場合、耐用年数の短い木造アパートのほうが年ごとの減価償却費が高いです。その分だけ多く経費にし、節税できます。アパート経営をあえて赤字にして、本業で得た給与所得を損益通算の形で相殺することも可能です。
アパート購入後のランニングコストも都市部がすぐれています。物価の高さから都市部のほうが費用がかかりそうですが、一概にはいえません。たとえば修繕費などは都市部でも地方でもそれほど変わりません。逆に都市部だと業者が多く、競争の原理で地方より安くなることもあります。
地方だと入居者を獲得するための広告費や仲介手数料が余計にかかることも多いです。都市部は空き室が出ても、しばらくすると入居者が自然と見つかる可能性が高いですが、地方は引っ越しシーズンを逃すと新規入居者は少ないです。地方は月々の家賃や敷金・礼金が安いので、入居者が退去したあとの改装費や原状回復工事も割高になります。
人口が減少傾向にある地方のアパート経営。地方ならではの注意点があります。
不動産投資において立地条件は重要です。そのひとつの指標が駅からの距離。駅に近いほど入居者が見つかりやすい傾向にあります。しかし、地方は車が人々の足となっている場合も多いです。その場合は駅からの距離よりも、駐車場の有無がポイントになるでしょう。
物件を購入する際に行う投資シミュレーション。ローンや税金、経費なども含めて利回りを計算します。地方の場合、物件が満室にならず、シミュレーションどおりにいかないことがあります。
また、築年数の経過に加え、人口減少にともなう入居者の減少が急に進むことがあります。そのようなリスクもふまえて投資計画を立てるのが最善です。
地方でアパート投資を行う戦略のひとつが地方企業や大学をねらったアパート経営です。大学キャンパスや工場などの周辺で、安定した家賃収入を得ている投資家もいます。
しかし、最近では大学の都心回帰が少なくありません。大学側も立地的に有利な場所でないと学生を呼び込めないのでしょう。地方にある企業の倒産や引き上げ、移転などの可能性もあり、アパート経営が難しくなるかもしれません。
自分の地元や近隣で土地や物件を見つけるのであれば問題ありませんが、見ず知らずの場所で新築アパートを経営するとなると独特の難しさがともないます。物件購入時には入念にリサーチを行うかもしれませんが、購入後は情報の更新が手間になります。
アパートが遠方だと、物件管理を管理会社に依存してしまう傾向もあります。信頼できる管理会社であればまだいいですが、入居状況や建物の価値そのものにも影響する大事な問題です。遠方でも定期的に建物を見に行ったり、管理会社とコミュニケーションを取ったりするのがいいでしょう。
都市部以外は今後人口減少の影響を多かれ少なかれ受けていくものと思われますが、大都市近郊の新築アパートはおすすめです。大都市ほど物件購入額は高くありませんが、大都市に通勤・通学する人がいるので、安定した家賃収入を望めます。
自分の家から離れていても、大都市周辺であればアクセスしやすいです。管理会社や賃貸不動産会社の数も多く、質のいいサービスを受けられるでしょう。
新築アパート経営をする場合、都市部と地方にはそれぞれメリットとデメリットがあります。総合的に見ると、都市部のほうが安定したアパート経営を行なえる可能性が高いです。
ただし、地方といってもさまざまなエリアがあります。人口や土地価格が増加傾向にあるエリアもあるので、日々の情報収集が欠かせません。どこで新築アパート経営をするにしても、入念なシミュレーションや出口戦略を行い、万全の状態で臨むのがいいでしょう。