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今、不動産投資が再びブームとなっています。特に分譲マンションを購入して賃貸・転売をする人が増えているのですが、一方で土地の有効利用などで新築の一棟建てアパートを経営するケースも多々見られるようになりました。
こちらでは、両者の不動産投資方法の特長をチェックし、そのメリット・デメリットを比較検討いたします。自分の条件に合った賢い不動産投資方法はどちらなのか?失敗しない不動産投資について考えてみましょう。
日本国内で不動産投資と言えば、まず分譲マンションの売買・賃貸を選ぶ方が多いです。その理由は、分譲マンションへの投資が比較的安く済むためです。
東京都内で中古のファミリータイプであれば2~3000万円あたりで購入できますし、郊外であれば1000万円前後のワンルームマンションも見つかります。
このレベルであれば一般の方でも融資・ローンが組みやすく、不動産投資の初心者でも安心して参加する事ができるでしょう。また無理に高額融資やローンを組むリスクが回避できて、手持ちの現金は実物資産に移しておくという財テクに適しています。
この点はFXや株式投資の様なハイリスク・ハイリターンを好まない投資家の方に向いていると言えるでしょう。
分譲マンションへ投資して運用する場合に、ワンルームにするか2LDK以上のファミリータイプを選択するかで迷う事があります。そこで予算的に余裕のある場合はファミリータイプがおすすめになります。
その理由は入居率が高い事と家賃設定を高くできる事です。都内で立地がよければ、中古の2LDKでも15万円以上に設定する事も可能で、実質利回りが高まりやすいと言えます。
また、空室になった場合でもオーナーが自ら居住する実需性がある、そして運用後の売却でもニーズが大きく売れやすいといったメリットもあります。
ただし最近では、ワンルームマンションであっても民泊やウィークリーマンションとして利用する事で高収入が得られやすいため、利益率を高めることを考えるならばロケーションや設備などを考慮した上で物件を選ぶことをおすすめします。
もし投資対象のマンションを1部屋しか持っていない場合、その部屋に入居者がいなければ収入が0円になってしまいますが、マンションの維持費や税金は入居者のあるなしに関わりなく発生します。これが分譲マンション投資の最大のデメリットになります。
特にオフィス・店舗は、立地の良し悪しだけでは入居率を高める事が難しいとされます。もちろん店舗利用の方が家賃を高くできるのですが、もし入居した方の商売が上手くいかなければ長期入居が維持できないリスクが生じます。つまり定着率の低さがデメリットなのです。
また周辺に類似のマンションが建設されれば、途端に家賃相場が下がってしまいます。そこで自分の部屋だけをリフォームしたとしても、マンション自体の価値が低まってしまっては的確な効果が発揮されないかもしれません。
また分譲マンションでは、同居する方々の印象でも入居率が左右されるというデメリットもあります。
一棟建てアパートの魅力はローリスク・ミドルリターンの投資方法という事で、分譲マンション投資よりも安定した資産運用ができます。
また土地付きという事で銀行融資が受けやすいメリットがあり、一般的に自己資金の5倍ぐらいのアパートを購入できます。
あるいは自分で土地を持っている場合は、その土地を担保に低金利で大きな融資が得られ、部屋数の多い魅力的なアパートを新築する事も可能でしょう。
一棟建てアパートは複数の賃貸部屋を提供しますから、ランダムに空室が出たとしても収入ダウンの確率が小さくなります。また初めの投資資金を減価償却として所得に反映させれば、毎年百万円単位の節税ができるメリットがあります。
そして一棟建てアパートでは土地を所有しているために、更地にして売却をする事も可能ですし、建て替えで新たなニーズを捉える事もできます。一方分譲マンションでは老朽化対策が取り難いため、この差は意外と大きいです。
複数の賃貸部屋を有するアパートであれば、絶えず満室状態でなくともある程度の収入確保が見込めます。またアパート管理・メンテナンスを自分で行えば、通常掛かるランニングコストを削減することも可能です。
一棟建てアパートならば、居住性・機能性の高いアパートを新築する事で、多少立地条件が悪い場合でも空室リスクを回避する事ができます。建築会社をしっかりと選ぶ事が必須条件と言えるでしょう。
また、近年の建築デザインの向上により、木造アパートでも人気の高いモデルが得られる様になってきました。
木造ならば修復費、立替え費用も抑えられ、長期の安定収入プランが立てやすいでしょう。老後の対策として一棟アパート経営を選択する方が増えてきているようです。
一棟建てアパート経営はポイントさえ外さなければ成功率が高いといえますが、注意すべきポイントもいくつかあります。
まず修繕費や管理費の確保がポイントです。アパート経営には居住性の良さを保つ事が肝心で、その為には定期的な修繕を施していかなければなりません。ここを怠ると空室率が上がってしまいます。ただし新築の場合は5年や10年は修繕コストが低いので安心です。
また家賃滞納や問題のある居住者対応もデメリットとなります。この点はご自分で管理・経営をする場合に困難が生じやすいと言えるでしょう。一般的には不動産会社に委託するケースが多く、この費用もデメリットになる可能性があります。
この様に分譲マンション投資も一棟建てアパート経営も、それぞれに一長一短がありますが、資本金の面で余裕がある方は一棟建てアパート経営がおすすめです。
しかも新築アパートであれば、建物や付帯設備の維持費を含めたランニングコストが掛かり難く、空室率の心配も低くなります。より安定した収入を得るために、家賃自体を低めの設定にして各部屋の無収益期間徹底的に短くするという対策も取れます。
この点で分譲マンションは融通が利き難いです。もし空室期間が長くなれば大きく損益が膨らんでしまいますし、家賃の値下げは収益率自体を低下させてしまいます。
また大規模修繕や建て替えなどのリノベーションをする場合、分譲マンションならば自分の都合で行う事はほぼ不可能です。ですが一棟建てアパートならば、新たに融資を得てリニューアルする事も問題ありません。
オーナー自身の裁量で、より価値の高いアパート経営ができます。これが、一棟建てアパート経営がローリスク・ミドルリターンな投資だと言われる由縁なのです。